大判例

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神戸家庭裁判所 昭和31年(家イ)331号 調停

一、申立人と相手方とは本日調停離婚をする。

一、当事者間の長男一夫(昭和二十三年○○月○日生)の親権者は父である相手方とすること。

一、相手方は申立人の手許から上記一夫を本日引取り、申立人はこれを引渡すこと。

一、当事者双方本件に関し、上記約定の外名義の如何を問わず金銭其の他一切の請求をしないこと。

一、本件調停費用は各自弁のこと。

申立の趣旨

一、相手方と申立人は離婚すること。

二、相手方は長男一夫の親権を行い且つその監護養育をすること。

上記の通りの調停を求める。

事件の実情

申立人は相手方と昭和二十二年六月○日相手方住所地に於て自由結婚に因り婚姻し昭和二十三年五月○○日申立人の氏名小川トシを金華芳と称し夫の氏を称してその婚姻届出を為し入籍したものである。

而してその夫婦間に於て長男金一夫昭和二十三年○○月○日生を儲けたものである処が相手方は婚姻以来次々と女を拵え且つ強度のモヒ中毒患者であつて始終該注射薬を買求め自己注射を繰返し居る者であつて雑貨商を営んで居たが此の様な女ぐるいと注射等の経費の為め生活状態は誠に貧困なものであつた。

相手方は上記麻薬手入に当りて引掛りアメリカ裁判により二回もその刑に服し申立人も子まで出来たので相当苦しき中を辛棒して来ましたが上述の如く次々と女を拵えるの外モヒ中毒患者である為め到底将来永久に連添うことの見込みなきにより右一夫が生れて三、四ケ月頃相手方に無断にて申立人の実家である

京都市○区○○○○○町○○番地

証頭者 小川一郎方 に逃返つたものである。

申立人はその後右一夫を連れ養育し現在完全なる小学校在籍でないが○○小学校二年生に入学させて貰つて居る以上申立ました外相手方は離婚の手続を執るから記名捺印せよと届書と一諸に書面にて依頼して来ましたので相手方の言う通り該届書に記名捺印して送付したが完全に届出したのかしないのか幾ら照会しても返事もなく又申立人の戸籍を調査しても復籍して居ない処より察すると籍は切れて居らないものである。

上述の如く相手方は民法第七七〇条第一号及び第五号に該当する者であるので止むを得ず上記申立趣旨記載の如く調停を求むる為め本申立に及びたる次第であります。

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